日本人の話。わたしは日本という国が割と好きです。すべてが手放しで大好き、と言える程ではないにせよ、大方気に入っていますし、死ぬなら日本で死にたいと思っています。
しかしわたしを含め、日本に住む日本人については、色々を複雑な想いを持っておりまして、必ずしも好きとは言えない残念な感覚に陥っています。
これは何も最近に始まったコトでもありませんで、恐らく意識が「ああ私は大人になったな」と思えた頃から感じている、違和感とも言うべき「「ひっかかり」です。
それは「自分の国をあまり愛していないと感じる人々」に対してです。
自が産まれた国を無条件で愛するコトもまたあり得ないのかもしれませんが、産まれ育ち、永らくその国独特の文化や風習に触れて生きてきたので、もはや体の芯にまで染み付いた「日本らしさ」は、すっかり愛おしいと感じています。
少なくとも、日本と日本に住む人々が、健やかな生活を永く維持出来たらいいなと思っています。しかしわたしのそういった感覚は、必ずも他の日本人と一致しているわけではないようですね。
自分さえ良ければそれで良い、とは勿論思っていないのですが、それでもやはり自分達の幸せや発展を望むのはごく自然な発想でありましょうし、だからこそ協力し合い高め合っていけるんじゃないかな、と思うんですね。
わたしは、日本人が「日本人はここが悪い」とか「日本人はかの国にさらなる謝罪をするべきだ」という趣旨の発信をしているのを見るにつけ、とても哀しい気分になります。いえ、残念と言えばいいでしょうか。気の毒、と言ってもいいかもしれません。
自らを省みる行為はとても大事だと思います。人は誰も必ず間違いを起こしますし、それを是正するのも、間違った人間の責任範囲だと思うからです。
しかし限度ってものはやはりあると思うのです。
過度の友愛を掲げて、愛する日本という国やそこに住む人々の穏やかな生活が脅かされる可能性を看過する。わたしとしてはそのコトに対して強く反発したいのです。